苦労して生み出したMIRAIに、

愛着が湧く。

MIRAIが初めて発売されたのが2014年。2020年に、2代目が発売されました。このMIRAIに搭載している、水素と酸素を反応させてエネルギーをつくる燃料電池の開発に私は携わっています。具体的な仕事内容は、MEGA（Membrane Electrode Gas diffusion layer Assembly）と呼ばれる、発電を担う部品が持つ耐久性の設計です。一般的に燃料電池は長時間使用すると性能が下がってきます。性能低下量を抑えるためには、どんな構造がいいか。どんな材料を使うべきか。燃料電池は、今までのクルマでいうところのエンジンに該当するので、決して簡単ではありません。その分、感じられるやりがいはすごく大きいです。2代目のMIRAIがラインオフされたとき、自分の仕事が世の中に出る喜びを肌で感じました。街中で走るMIRAIを見て、その喜びは倍増しましたね。

社内の教育は充実しています。燃料電池の教育資料やこれまでの開発で得た知見資料も豊富にあり、それを読むだけでもかなりの勉強になります。トヨタ全体でも、SQCやデータ分析、AIの機械学習など、幅広く先端技術を学べる機会を用意してくれるのが嬉しいですね。社内の教育・研修制度を活用することで、独学では得られないことをたくさん得られました。 また、先輩方のサポートも大きな魅力です。たとえば、実験をする前は、自分の中で考えて仮説を立てるのですが、そのときに「こんな成果を得られるはず」と先輩に共有します。先輩には、1世代のMIRAIをつくった方がたくさんおり、本当に豊富な知識を持っておられます。しかも皆さん、私の提案についてしっかり耳を傾けいろいろなアドバイスをしてくださるので、目から鱗が落ちる瞬間がたくさんありました。 一番の学びは、先輩からの「データは嘘をつかない」というアドバイスです。トヨタのあたたかい風土を活かして、早く一人前になれたら嬉しいですね。