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日本のものづくりを守りたい。

仕入先様と心をひとつにして

挑む競争力の向上

調達

調達エンジニアリング部

Y.Y

入社以来17年間、生産管理領域で実績を積んできたY.Yは、キャリアに新たな軸を求め調達部門への転向を希望しました。バイヤーの広範囲な業務に驚くも、調達ならではのやりがいを糧に2023年にはものづくり改革室の室長となります。日本のものづくりに貢献しようとチャレンジを続けるY.Yが熱い想いを語ります。

サプライチェーン一体で

価格競争力の向上をめざす

「ものづくり改革室」

トヨタ自動車が部品を調達する日本国内の仕入先様は、部品、資材、設備等を合わせると直接取引のある仕入先様だけでも約8,500社あります。それ以外のサプライチェーンも含めれば、のべ6万社です。

調達部門のミッションは、これらの仕入先様と良好な関係を築きながら、トヨタ車の商品力を高めていくことです。商品としての性能はもとより、お客様に納得いただける価格を実現できなければ、クルマを販売することはできません。

とはいえ、トヨタの調達の原点にあるのは「仕入先様との共存共栄」です。単に低価格な部品、資材、設備などを調達できれば良いという考えではなく、仕入先様と一緒になって、ともに学びながら製造原価を引き下げることで、サプライチェーン間で適正価格での取引を実現しつつ、他メーカーと比べた際の価格競争力を高めていこうとしています。そうした取り組みの中心となるのが、私たち「ものづくり改革室」です。

ものづくりといっても、「改革」の対象を製造現場だけに絞るものではありません。企画や設計、あるいは販売のステップまでを見通した上で、仕入先様の困り事も含めて一気通貫で解決する方策を検討し実行していきます。

たとえば、部品検査にかかる工数を削減したいと考えるTier 2の仕入先様があったとして、その仕入先様だけで実行できる施策には限りがあるでしょう。しかし、仕入先様でつくられる部品が、Tier 1の仕入先様でどう使われるのか、そしてクルマとしてどう組み立てられるのか工程全体で見直すことで無駄を省くことができるかもしれないのです。

このようにメーカーの立場から、短期的・中期的な目線でサプライチェーン全体を見通し、同時並行で全体最適の改革を進められることが、トヨタの調達部門の強みだと思います。

こうした活動を仕入先様に持ちかけると、身構えるような反応をされる場合もあります。「トヨタ生産方式」をはじめとして、世間的にも私たちの生産に関する取り組みが広く認知されているからこその反応かもしれません。しかし、製造現場での作業を楽にしたいという気持ちは、われわれも仕入先様も一緒です。本音のコミュニケーションを増やすことで、しだいに一体感が生まれ、成果につながり、笑顔があふれてくる。そうした現場の変化を目の当たりにすることに、大きなやりがいを感じています。

こうした業務だからこそ、ものづくり改革室メンバーのバックグラウンドも多様です。製造現場の知識を持っていたり、生産技術に詳しいエンジニアもいる。ただ、日本のものづくりを支えていきたいという想いに共感していることは一緒です。その想いさえあれば、特別なスキルは必要なく、それぞれの技術や経験を生かせば良いのです。かく言う私も、長きにわたって調達業務に関わっているわけではありません。

海外赴任で学んだ

「本音のコミュニケーション」の

大切さ

学生時代、競技スキーに没頭していた私は、将来に具体的な目標を持てずにいました。漠然と就職活動を行っていた中で、もっとも自分に合うかもしれないと思えたのがトヨタでした。トヨタの社員が、自分の失敗を明るく話す姿が印象的でしたね。チャレンジを楽しめる会社なのだと思いました。

そうした印象があったからでしょうか。入社が叶い、配属希望を出す時は何を恐れるでもなく「これがトヨタの“最前線”だ」と感じた製造現場での仕事として、生産管理を希望しました。中でも比較的価格帯の低い車両を生産する工場を希望しました。より多くのお客様へ届ける製品に携わりたいという考えがあったのです。以来17年間、生産管理の仕事を続けてきました。

国内の工場でも多くを学びましたが、やはり印象に残っているのは海外工場に駐在した時のことです。最初の赴任地はフランスでした。

当時の私は自分の若さを卑下して、「現地のメンバーから相手にされないのではないか」と先入観を持っていました。結果、コミュニケーションがうまくいかずに衝突を繰り返していました。そしてある時、現地のメンバーと大げんかをしたのです。

その時に言われた言葉が今でも記憶に残っています。「日本のトヨタで今考えていることを発信してほしいんだ」と言うのです。年齢や経験値を気にしていた私の先入観は打ち消されました。それからは、日本の現場を知る自分だからこそ伝えられることは何か真剣に考え抜いて、熱意を持って伝えるようになりました。本気のコミュニケーションが言語や文化の壁を超えるきっかけとなり、真のチームワークを育んでくれることを学ばせてもらいましたね。

また、2回目の海外赴任となったメキシコでは、まったくのさら地から工場を立ち上げる経験をさせてもらいました。メンバーを採用・育成して車両生産を開始し、ピーク台数まで増産させていくという道のりはとてもチャレンジングでした。新型コロナウイルス感染症の流行もあり、マクロからミクロまで課題が山積しているような状態でありながら、結果としては大成功といえる成果を上げることができたのは、確かな達成感につながっています。

生産管理から調達へ──

チャレンジこそが

自分のキャリア

メキシコでのプロジェクトも節目を迎え、17年間打ち込んできた生産管理の仕事を振り返ると、チャレンジの連続でした。これからも新しいことに挑戦したい。そう考えた私の琴線に触れたのが、かねてから関心のあった調達という仕事だったんです。

調達は生産管理と一緒に仕事をすることも多かったですし、調達部門の同僚から業務のやりがいも聞いていました。生産管理以外にも自分のキャリアに軸を持たせたいと考えていた自分にとっては、挑戦しがいのある領域に思えたのです。

しかし、実際に異動してみると想像以上に広範な業務に驚かされました。当初はバイヤー業務をメインとしていたのですが、一通りの業務を経験して慣れるまでに、たくさんの人に支えてもらいました。

とくに調達の仕事の難しさを感じたのは、社内外をつなぐポジショニングでした。ある時は仕入先様にトヨタの意向を伝え、ある時は仕入先様の立場に寄り添い社内と調整を図る。板挟みのジレンマを抱えながら、いかに仕入先様と信頼関係を構築していくべきか思い悩むこともありました。殻を破ることができたのは、「できる限り本音で語ろう」と決意してからです。

調達に異動してから、ある仕入先様でトラブルが発生した時のことが今も印象に残っています。私は真っ先に現地に赴き、トヨタ分だけでなく、他社分を含めたすべての製品を一緒に復旧しましょうと伝え、多くの関係者からも協力していただき対応にあたりました。しかし、思うように状況が好転せず、その仕入先様の社長から「安定化のために、数日間止めさせてほしい」と相談されました。それはトヨタだけでなく、すべての仕入先様にもご迷惑をかけることです。しかし、本音がよくわかっていた私は賛同し、上位・関係者にも相談して了解を得ました。この件は後日、「あの時に賛同してもらえて、結果的には復旧が早まり本当に嬉しかった」と、その社長から涙ながらにお話しいただきました。

今でもこれが正しいスタイルかはわかりませんが、各社様のさまざまな事情を現地現物で理解して自分自身も成長しながら一体となって取り組んでいきたいと思っています。

日本のものづくりを守りたい

調達部門に来て学んだことがあります。「前向き」「前のめり」「喜んで」という3つの姿勢です。あれこれと考えてから行動するのではなく、何事にも前向きに、前のめりに、喜んで対応していく。すなわちまずはやってみるという文化が調達部門にはあります。

また、トヨタの経営の核として貫かれてきた「豊田綱領」に、「産業報国の実を拳ぐべし」という言葉があります。自分のため、会社のためということを超えて、国のため、社会のためという視点でものごとを考え、そうした貢献をしなければならないというトヨタの原点を表しています。ものづくり改革室の室長となった今、こうした姿勢は私たちのミッションを実現していく上でも、とても重要だと感じています。

というのも、近年は至るところで大きな環境変化が起こっていて、従来の延長戦上にあるような対応では解決できない課題が増えてきているからです。予測不可能な時代であっても、スピード感を持ってものごとを進め、前に進みながら軌道修正を図っていかなければなりません。仕入先様の現場を訪問し、多大な苦労を強いられている現場を目の当たりにするほどに、そうした想いが強まっています。

日本のものづくりを守っていくためにはトヨタのサプライチェーンだけでなく、自動車業界で働く550万人の仲間と力を合わせていかなくてはなりません。それこそ、トヨタ調達部門のミッションであり、ものづくり改革室室長の本当の役目だと感じます。

こうした難題に立ち向かっていくにあたって、私の経験から言えるのは、本音のコミュニケーションが鍵となること。フランスに赴任したばかりのときも、調達部門に来たばかりのときも、壁を打ち破れたのは本気、本音で対話しようと心がけたことでした。もっと深く仕入先様と共に悩み、考えていかなければならない──そんな課題意識が、さらなるモチベーションにつながっているのです。

トヨタはクルマの未来を変えていこうとしています。その挑戦には正しい道などありません。自分たちで必死に考え、汗をかいて探していくものです。ここでも、自動車産業の枠を超えた連携が不可欠でしょう。新しい仲間との連携は、きっと日本のものづくりを守ることにもつながると感じています。調達部門のサプライチェーン戦略部、調達エンジニアリング部、ユニット部品調達部、PJT推進・ボデー部品調達部、資材・設備調達部、電池調達室のメンバー全員が高い志を持ち、その実現に向けて、日々取り組んでいます。調達活動を通じて、クルマの未来を一緒に変えていきませんか?

苦労も多い道ですが、ものづくりはどこまで行っても楽しいものです。同じように、ものづくりを楽しめる仲間と力を合わせ、クルマと日本のものづくりの未来を変えていきたいですね。

※ 記載内容は2023年10月時点のものです

調達とは

100年に一度の大変革と言われる時代の中、従来の枠組みにとらわれることなく、調達メンバーが中心となって関係部署や仕入先と一体となりながら意見を出し合って業務を進めています。また仕入先との相互信頼を基盤に共に成長できるように進めており、常に仕入先と向き合い、互いの継続的な成長が実感できる、非常にやりがいのあるチャレンジングな職場です。

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