グローバル戦略車の着想は、
世界を歩き確かめることから
生まれる。
海外営業
第2トヨタ企画部
K.F
グローバル戦略車の着想は、
世界を歩き確かめることから
生まれる。
海外営業
第2トヨタ企画部
K.F
経済学部卒 1999年入社 グローバルで大きな仕事ができるという理由で商社も魅力でしたが、お客様の喜びに直結しやすい最終消費財メーカーに絞りました。また海外旅行経験から、その国の風土や文化が表現されるクルマにも興味がありました。最終的に情熱やチームワークを大切にする風土や、一人ひとりが誇りをもって仕事に取り組んでいる先輩に強く惹かれトヨタに決めました。
500万台を突破した
IMVのクルマ
世界戦略車IMVの商品企画が私の担当。「えっ、IMV?そんなクルマ聞いたことがない」。おっしゃる通り。IMVはクルマの名前ではなくプロジェクトの名称であり、「Innovative International Multi-purpose Vehicle」の略。「新興国を中心としたお客様へベストフィットなクルマ」を「同じタイミングで、よりお買い求めやすい価格で提供したい」という目的のもとに2004年に立ちあがったプロジェクトです。 IMVがスタートする以前は、各国それぞれが異なる車種を小規模で生産していたため、低コスト化や高効率化などに課題がありました。また日本から部品供給を行うことで、為替変動の影響も大きい。なにより、日本向けに開発したクルマをベースにしていたため、きめ細かな現地需要をくみ取ることが難しかったわけです。これらを解消するためのグローバル戦略がIMV。 IMVでは、バリエーションを「ピックアップトラック」「SUV(スポーツ用多目的車)」「ミニバン」の3車種5ボディータイプに集約しながら、新興国のお客様の志向や使用環境にとって最適な商品として開発されました。つまり、クルマの土台を絞り、地域や国の需要に合わせてカスタマイズ。生産体制では、それまでの日本生産を取りやめ、タイ・インドネシア・南アフリカ・アルゼンチンの4工場をグローバル拠点とし、低コスト化と効率化を狙いました。また、為替変動の影響を回避するために、日本以外からの部品調達率を高めることを目指しました。 2004年にリリースされ、2012年には累計生産台数500万台を突破。現在は、主に日本・アメリカ・中国をのぞく、世界約170カ国・地域まで販売を拡大している世界の人気者なのです。このIMVの次期モデルをどうするのか。商品コンセプトを決め、各国に合わせた仕様や価格を設定していく。それが私のミッション。コンセプトを決めるには、まず各国の詳細な市場分析が何よりも重要。私は、タイ・インドネシア・ベトナム・インド・サウジアラビア・エジプト・ブラジル・アルゼンチン・コロンビアへ飛びました。
日本ではありえない光景が
「おいおい、これ何t積んでるんだよ」「うわー、荷台に10人以上乗ってるよ」。過積載、でこぼこの道路、鳴り止まないクラクション、秩序のない交通ルール・・・ 日本ではありえない。私は、新興国に混沌としながらも生命力あふれる光景を目にしながら、ただ驚くばかりでした。そして、現地の事業体や販売店、お客様のご要望も、各国それぞれ。環境が違えば、使われ方も違う。国民性によって、好みも千差万別。いやいや、本当に世界は広い。 たとえば、ピックアップトラックのHiluxは、タイやブラジルなどに導入していますが、お客様は異なり、タイでは乗用・商用兼用で使われることが多く、ブラジルは豪華な高級車仕様が富裕層に受けている。また、サウジアラビアは純粋に商用車的な使い方がメインで、正に生活の必需品。使用環境もさまざま。ペルーのように4000m級の高山で活躍するクルマもあれば、アフリカのように道なき道を行くクルマもある。ロシアのように-30℃の極寒で走るクルマもある。このように各国それぞれの要望や使用環境を理解していくのは本当に骨がおれる仕事でした。粘り強く話を聞き、自分の目で見て、考えて分析する。その積み重ねです。 詳細な分析が集まれば、いよいよコンセプトを固めます。次期IMVに求められる基本性能や装備、デザインなどの方向性をどうするか。社内企画者の想いと各国から上がってきた方向性の異なる商品要望。あの国を立てれば、この国が立たず。どうやって一つにまとめるんだよ、と頭を抱える日々。完成しないパズルを解いていくような気分。しかし立ち止まってはいられない。世界中のお客様の笑顔のために。その責任と世界戦略車をつくるワクワク感で、私は前に進んでいきました。 実はコンセプトを固め社内役員会議に上げたところ、一部やり直しになってしまい、改めて市場調査を実施するために、ジャカルタ(インドネシア)へ飛びました。技術開発者や現地スタッフと共に、有名な観光地プンチャックへ。休日ということもあり、ジャカルタから通常約1時間30分の距離ながら、もの凄い渋滞!4~5時間もかかってしまいました。そうした中でもインドネシアの人々は家族全員での長時間ドライブ(定員オーバー多発 笑)を楽しんでいました。家族談議に花が咲き、車内でご飯を食べる(渋滞中、何度も食べ物を売りに来ます)。日本人以上に家族との絆を重んじるインドネシア人らしい光景でした。公園に着くとトランクをテーブル代わりにしてピクニック。インドネシア人にとって、私のクルマは家族全員が楽しめる空間でないといけない。長時間ドライブも快適でないといけない。この経験は後々のコンセプト立案に大きく寄与しました。
グローバルベストと
ローカルベストを追い求めて
次期IMVモデルのコンセプト。それは、残念ながらヒミツ(笑)です。まずは、IMVとして譲れない部分、そして次期も強化していく部分をグローバルベストとして明確にしていきます。 合わせて、地域ごとに求められるローカルベストの観点を加味していくわけです。これがまたまた険しい山。まず車型や仕様、オプション装備などを検討していきます。また、環境や規制の変化が激しい新興国の数年後を見据えながら、現地で集めた情報をもとに、必要な要素を詰めていく。たとえばエアバッグなど日本では当たり前の装備で、いずれ新興国でも必要になるだろうというものも含めて提案要素として入れていきます。先進装備も同じ。新興国には馴染みの薄い装備についても、実物を体感してもらいながら、採用の可否を決めていきます。同時に、それら一つひとつの販価を検討し、原価と照らし合わせて収益をチェックしていきます。「ここの原価を下げてほしい」「それは難しい」「この価格では現地で受け入れられない」「だったら、部品の調達先をもう一度考えられないか」・・・技術チームはもちろん、原価企画チームや調達チーム、生産チームなどを巻き込んでの大論争。お互いにアイデアを出しながら、なんとか着地点を見出していく。それを一つひとつ潰し込んでいきます。 これで終わりではありません。まだまだ山は続きます。今度は、現地法人など事業体との交渉へ再び現地へ。本当に必要な仕様になっているのか。価格は適正なのか。経営層とひざを交え、こちらの提案と向こうの要望のギャップを埋めていく。この先も、世界を飛び回り、脈々とそびえる高い山を歩き続けているのでしょう。
チームワークで
大きなことを成し遂げる
チャレンジ、改善、現地現物、リスペクト、そしてチームワーク。トヨタには5つからなる大切にすべき価値観があり、これは全世界のトヨタに関わるメンバーに共有されています。海外の仕事においては、さまざまな価値観に遭遇します。 たとえ目の前の議論で意見が対立することがあっても、トヨタの価値観に則ってごまかさず真摯に話し合えば、お互いにわかりあえると信じて仕事を進めています。当然のことですが、私一人ではクルマをつくれません。クルマは最終消費財の中でも部品点数が多く、かつIMVは世界戦略車。技術、デザイン、調達、生産などの社内スタッフ。海外の現地法人や工場。さまざまな人たちが、一人ひとり知恵をだし、汗をかきながらIMVは動いています。関わる人数や部署が多い分だけ苦労もあります。でも、トヨタの価値観をベースにして、最後はみんなで同じ方向へ進んでいく。これこそがグローバルなものづくりの醍醐味だと思う。 幼稚園から社会人までサッカーを続けてきた私は、一人ひとりが力を磨きながら、チームとして戦うことで大きな力を発揮できる面白さ・素晴らしさを体験してきました。できれば仕事も、一人ではできないことをやりたかった。たくさんの仲間とともにチームワークでチャレンジすることで、世の中に大きなことを成し遂げる。そんな仕事をしようとトヨタに入った。 次期IMVの成否は、その国の事業体や部品メーカーの収益、あるいは雇用など経済的にも大きな影響をおよぼすだけに、現地の方々の情熱も大きい。そして、なによりも世界中でTOYOTAを待ち望んでいるお客様がいる。これ以上にない大きな期待を背に受けながら、入社時の想いを実現しようとしている。私の仕事が一つのクルマとして世の中に生まれるとき、きっとニュースや新聞を賑わせているはずです。
海外をフィールドに、それぞれの地域や国の特性を踏まえて、お客様に寄り添ったビジネスを展開。トヨタの海外販売台数比率は80%以上(2018年現在)。グローバル企業として世界を牽引し、世界中の人々の暮らしに貢献する責任が、トヨタにはあります。
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