嘱託社員の採用を通じ

モビリティカンパニー化を

加速させる。

今までのトヨタは、前例主義に基づいてものごとを決めることが多々ありました。新しく採用する方の待遇を決めるときも、過去に同年代・同スキルの人を採用したときの待遇と照らし合わせることがスタンダードだったように思います。でも、モビリティカンパニーを目指すようになり、これまでにないタイプ・経験の方々をお迎えすることが多くなりました。たとえば、年齢は若いけど、トヨタ社内では同様のスキルを持つ人がいないという方や、月に1回、特定の分野における専門的なアドバイスを行っていただく方などです。当然、そのような方は、既存の人事制度では評価しきれない方ですので、制度の枠を超えてぜひ採用したい方については“嘱託社員”として迎え、処遇を個別に決めるケースが増えているのです。

会社は今、自動車メーカーからモビリティカンパニーへのシフトチェンジを進めています。その方向性を踏まえて人事に臨むのは非常に重要なことであり、トヨタのなかでも前代未聞の挑戦です。設立以来、長きにわたって、高品質なクルマをお届けすることで社会に貢献してきた会社ですから。ただ、モビリティカンパニーを目指すとは言っても、クルマづくりはこれからも大切にして、はぐくみ続けていきます。人事のなかでも、何を変えるべきか、何を残すべきか、日々議論しながら、慎重に一つひとつの事柄を進めています。嘱託社員の採用は、積極的に取り組むべきことのひとつだと思っています。会社全体で日々新たなチャレンジに取り組む中、「ピンポイントでこの人を採用したい」という要望は、多くの部署が抱いていると思いますから。