T.Aの写真

Well-beingな空間の

実現を目指して

未来創生

R-フロンティア部

T.A

未来創生センターの「Genki空間®プロジェクト」で空気質研究のリーダーを務めるT.A。空気中に浮遊する微生物の菌叢(そう)解析を担当するほか、チーム全体のデータ解析を主導しています。入社してからこれまでを振り返りながら、研究のおもしろさや未来創生センターで働く醍醐味について語ります。

未来の幸せな

街づくりのために、

人に良い効果をもたらす

空気の質の解明を目指して

私が所属している未来創生センターは、ロボット技術やコネクティッド・シティにつながる社会システム、そしてそれらを支える数理データサイエンス、バイオヒューマンテクノロジーなど、新しい研究開発を担う部門です。

その中でも、株式会社豊田中央研究所(以下、豊田中研)や国立遺伝学研究所(以下、遺伝研)と共に取り組んでいる「Genki空間®プロジェクト」では、自然の効果を科学的に解明・応用することで空間設計論を確立し、人がよりWell-beingに過ごせるための空間の実現を目指しています。

Genki空間®プロジェクトには複数のチームがあり、私がリーダーを務めている空気質研究チームは、自然の空気を解析して人に良い効果をもたらす空気の質を明らかにし、それを居住空間に実装する方法を確立するための研究を行っています。

2022年8月現在、チームメンバーは約5名。中でも私は、空気中に浮遊する微生物をサンプリングし、解析することで、居住空間の空気がどれだけ自然に近いか評価したり、より自然の空気に近づけたりする技術検討に取り組んでいます。

研究方針を立て、研究の進捗を管理するのが、チームリーダーである私の役目。また、実験を計画通りに進めるためのマネジメントをしつつ、メンバーのひとりとして、データ解析も手がけます。空気質研究には、生物学とデータ解析などの情報学を掛け合わせたバイオインフォマティクスと呼ばれる融合分野の技術や知識が必要であり、バイオ系出身でデータ解析に初めて触れるメンバーには、データ解析の指導も行っています。

他チームとの情報共有も大事な仕事のひとつです。共同研究先の豊田中研や遺伝研、Genki空間®プロジェクトで別の研究テーマを進めているチームと、打ち合わせや簡単な研究発表、立ち話の中で、日々情報を交換しています。

人が安心して

暮らしていける

会づくりへの想いに

共感し、トヨタ自動車へ

大学院では、遺伝子発現データに基づく化学物質のリスク評価について研究を行っていました。同じバイオインフォマティクスの領域ではありますが、当時の専門はデータ解析。クラスタリングや統計解析などを学び、研究としては、取得済みのデータを解析することが中心でした。

卒業後は、データ解析の研究経験を活かしたいと考えていました。その中でもトヨタを志望した理由は、人に寄り添ったシステムを目指している点に共感したからです。たとえば自動運転システムの開発では目的地まで事故なく走ることだけでなく、乗っている人が車間距離や速度に不安を感じないようにしています。

入社後、未来創生センターに配属され、現在も在籍するGenki空間®プロジェクトに加わり、データ解析の経験を応用する一方で、バイオ系の知識や技術を新たに身につけていきました。当時、バイオに関しては右も左もわからない状態。上司からていねいに指導を受けながら、外部のセミナーなどにも参加して、少しずつ理解を深めていきました。

また、上司から紹介されたバイオインフォマティクスを専門とする他部署のメンバーから、バイオインフォマティクス技術者認定試験の受験をサポートしてもらうなど、本当に手厚く指導してもらいました。部署の垣根を超えてサポートし合える未来創生センターのカルチャーは、新人にとっての成長環境という面でも、また研究の発展という面でも、本当に魅力的だと感じています。

就職活動の際は未来創生センターを知らず、もしトヨタに就職できたら、自動運転の研究に携わりたいと漠然と考えていたこともありました。しかし、未来創生センターに配属されて良かったと思っています。自分の研究の幅を広げられたこと、リーダーとして活躍の場をもらえたこと、そして、将来の世の中に貢献できることに感謝しています。

遺伝研への1年間の

赴任を経験。

その後の研究を進める上での

大きな糧に

2021年は、社外への修行という形で共同研究先の遺伝研に赴任し、以前から共同で開発していた「バイオフィリックスコア評価モデル」という空気質評価の予測モデルのブラッシュアップに1年間没頭しました。

バイオフィリックスコア評価モデルのさらなる発展を目指すにあたっては、より密な議論が必要だと思っていました。空気質の研究を進めながら、遺伝学やバイオインフォマティクスのエキスパートが多く集まる環境で研究に集中できるような環境を求めていたところ、遺伝研の研究員として受け入れてもらうことになりました。

遺伝研では、自分の本来の立場から離れ、愚直に研究を突き詰めることができたと感じています。ときに、研究方針や解析結果などをめぐって、遺伝研のメンバーと納得がいくまで議論を交わす場面も。企業とはまた違うアカデミックな世界の厳しさの中で、周囲に流されることなく、自分の意見を相手に正しく伝えることの大切さを知りました。今後の空気質研究に役立つ解析の方法を学ぶことができたことも収穫だったと思っています。

修行中、日本バイオインフォマティクス学会で、バイオフィリックスコア評価モデルのポスター発表を行う好機を得ました。バイオの分野で機械学習が活用されることは珍しくありませんが、バイオフィリックスコア評価モデルは同じ機械学習でも、この分野ではあまり使われていない手法を応用したことが評価され、優秀ポスター賞をいただきました。

そして2022年4月に未来創生センターに戻り、空気質研究のリーダーに着任しました。いまも引き続き、共同研究先の豊田中研も含めて、バイオフィリックスコア評価モデルの発展に向けた研究を続けています。

未来創生センターに

配属されたことが転機に。

ここには願ってもない

刺激的な環境がある

空気質研究は、空気中の微生物や化学物質といった目に見えないものを対象にした研究ですが、それらを解析し可視化することができれば、一見似たような自然空間であってもまったく異なる特徴があることが見えてくるんです。その点がとてもおもしろく、この研究にのめり込む理由にもなっています。

また、微生物や化学物質が人にもたらす効果を解明することで、空間の新たな設計指針が形づくられていくことが期待されます。空気質という着眼点がこれからの世の中で一般的になっていくことを目指し、メンバーが一丸となって研究を進められていることもやりがいにつながっていますね。

一研究者として、Genki空間®プロジェクトを通して、豊田中研や遺伝研など外部機関と普段から交流できることも魅力だと感じています。もちろん、未来創生センター内にもいろいろなバックグラウンドをもつ人がいます。データ解析やバイオ以外にも、数理解析を専門とする人、自動車のエンジン設計を手がけていた人など実に多彩です。博士号を取得している人も多く、いたるところで専門性の高い議論が繰り広げられていて、多くの刺激を受けることができています。

経験の浅い若い研究者でも、「人が中心のWell-beingな社会を支え、人々の幸せの量産に貢献するための研究を行う」いう未来創生センターのミッションに適ってさえいれば、研究テーマを自由に提案できる雰囲気もあります。進行中の研究の本筋から脱線していても受け入れられる場合もあるので、そこから新規テーマにつながることもあるでしょう。好奇心旺盛な若い研究者にとっては、またとない環境だと思います。

入社前、自分の専門分野を活かせる仕事がしたいと思っていましたが、未来創生センターに配属され、新しい分野に携われたことが人生の大きな転機になりました。思いがけず視野が広がるきっかけが得られることも、多様な人材が集まる未来創生センターならではの魅力です。

今後、チームリーダーとして空気質研究を引っ張っていくためにも、緑化オフィスに関連することなど、最新の情報に対して、これまで以上にアンテナの感度を高めていきたいと思っています。

近年、自然の一部を人の居住空間に導入する事例が増えてきています。ひとつの分野を追究するだけでは競争力を保てないと感じているので、専門性にとらわれずにさまざまな分野に興味を持ち、幅広い知識で新たなアイデア、価値を創出できる存在になりたいですね。

未来創生とは

様々な研究領域で、トヨタの目指す次の未来に向けて常にチャレンジを続けています。 「ほとんどの人が想像できていない価値創出・真理探究」で短~長期の企業競争力強化に貢献し、従来の物理的な移動に限らず、様々な移動に関わる新しい価値・サービスを提供する為の研究/開発を行っています。

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