K.Kの写真

eモータースポーツ選手の

経験をGRに注ぐ

GR車両開発部

K.K

開発車両の評価を担当する K.K。 車両運動シミュレーターを用いる業務ではバーチャル上のクルマを自ら運転して、 車両の精緻な動きを解析するなど、プライベートでの経験も武器に存在感を 発揮しています。 一方で、GRの車両開発ではときに難しさを感じることも。そんなK.Kが、開発の大変さと魅力を語ります。

リアルとバーチャル。

ふたつの軸で、

車両の性能を追求

トヨタ自動車が、モータースポーツでの経験から培った技術と情熱を惜しみなく注ぐスポーツカーブランド、GR。

2023年2月現在、そのGR(※)の車両を開発する部署に私は所属しています。

主に担当しているのは、車両の実験。実験を通して、振動・騒音や操縦安定性を見ています。たとえば車両のシートには、エンジンの振動などが伝わりますが、あまりに振動が大きいと搭乗者が不快に感じます。

また、エンジンやタイヤの音などが騒音と感じるくらいの音量では、満足度の高い乗車体験を届けられません。そこで、車内の音や振動を適切なレベルに抑え、乗り心地の良いクルマに調整していくのが私たちの仕事です。

一方で、車両運動シミュレーターを活用した車両開発も私が担当する仕事のひとつ。バーチャル上のクルマを実際に車両運動シミュレーターで運転し、車両の動きやサーキットでのラップタイムを検証しています。

もちろん、運転時の横からの重力などは完全再現できるわけではないので、リアルとバーチャルで似ているところ・似ていないところを把握した上で、検証します。とはいえ、ラップタイムや乗り心地、クルマの操作感は、かなりリアルに近いです。

そのため、車両運動シミュレーターで得たデータと、乗ってみた感想を比べることで、開発にも活かすことができます。加えて、クルマの大きさや構造を変えるという実車では難しいような仕様の模索を開発初期の段階で行えるのも、バーチャル検討の強みですね。

このシミュレーター業務を任せてもらっていることを、私自身はこれまでの経験が認められてのことだと思っています。というのも、私はプライベートで、とあるレーシングゲームトップドライバーとして活動しているのです。

車両運動シミュレーターでの評価では、同じような操作が求められます。なるべく人間による動作の差異が少ない方が、クルマ同士の違いを測定しやすいからです。もし仮に、バーチャルでの運転経験がない場合は、運転に慣れ、安定した動作ができるようになるところから始めないといけません。

私はプライベートで得た経験を活かし、安定した操作でデータのばらつきを少なくできるという点でシミュレーターでの評価に貢献できていると思います。ただし、経験が活かせたとしても、仕事自体には難しさを感じることもあります。

※世界中の各種モータースポーツへ参戦し、そこで得られる技術や知見を基に市販スポーツカーを開発・製造・販売するトヨタのブランド。TOYOTA GAZOO Racingの略称

華々しい完成車の裏にある、

開発の努力。

シミュレーションで

試行錯誤の日々

現実での車両の騒音や振動を実験しつつ、バーチャル上の検証を行う日々。実際にGRの車両開発に携わっていると、その華やかなイメージとは裏腹に、地道に開発していく大変さも感じます。

計算のシミュレーションの段階や実験で、思い通りの結果がなかなか得られないことは、今感じるGRの車両開発の難しさのひとつ。

その度に「この予想とのズレを生み出す原因は何か?」と分析し、試して変えて、試して変えてを繰り返していきます。とくに、実験は行える数が限られていて、やり直しができるのは3回ほど。シミュレーターを用いる検証でも、多い場合で数十回です。そのため、その限られた機会を有効活用できるように、数字をもとに行う前段階の計算のシミュレーションでの試行錯誤にはかなり苦労します。

一方で、そうした事前の数値上のシミュレーションと、車両運動シミュレーターでの結果が一致したときは、達成感を覚える部分。実際、数回の失敗を経て、ほしい結果がしっかり出せたという経験もあります。

そのとき実施したのは、車両のサイズや前後の重量配分を変えた4つの車両モデルを乗り比べての評価。事前に「重量配分を後ろに持っていったモデルが、求めている状態に近いデータが出るはず」と仮説立てていたのですが、実際に私が車両運動シミュレーターで走行したところ、事前の検討通りのデータを出せました。

その際は、シミュレーターを扱っている部署の方も喜んでくれました。シミュレーターの仕事ひとつとっても、他部署との連携をベースに進めています。関係する部署がWin-Winになった点でも、シミュレーターを活用し成果をあげられたことは、成功体験でした。

また、シミュレーターを用いて開発する部署はトヨタ内にもいくつかあるものの、GRは特殊です。街などでの走行を想定している一般車と違い、サーキット走行といった、クルマが持つ性能の限界付近で走るのはGRならでは。モータースポーツを起点とした開発に取り組めることがGRの魅力ですし、日々ありがたく思いながら、仕事に取り組んでいます。

幼少期から身近にあったクルマ

──チームでつくりあげる

楽しさを知り、トヨタへ

プライベートではeモータースポーツの選手、仕事ではGRの車両開発を担い、ご飯と寝るとき以外はほとんどクルマと過ごす時間──。それほどまでに、クルマと離れることのない生活を送る今の私の原点は、幼少期の環境にありました。

父がトラックの運転手をしていたり、スポーツカーが家のガレージにあったり。クルマ好きな父のもと、ドライブに連れられる中で、知らず知らずのうちに知識もクルマに触れる機会も増えていきました。

小学校にあがってからは、レーシングゲームに熱中。最新作が出るたびに遊んでいましたね。また、F1やSUPER GTも見るようになって、クルマ好きがどんどん加速していったのも、このころでした。

そのまま成長し、大学受験のころにはすでに、「自動車に関わる仕事がしたい」と考えるようになりました。大学は工学部に進学して、材料力学を専攻。研究室では材料力学とシミュレーションを扱う研究をしていました。

そして勉強や研究に取り組む一方で、私が4年間の月日を捧げたのは、「学生フォーミュラ」でした。学生フォーミュラとは、小型のフォーミュラマシンを自分たちで設計・製造し、大会で走行性能などを競うもの。サークル活動として、メンバーと協力しながら大会に向けて車両を作っていました。私が担当していたのは、エンジンや冷却部品の設計。大会当日はドライバーとしてレースで運転もしました。

最終的にチームとして歴代最高タイの順位をとったことは、今でも忘れられない思い出です。そして、その記録のために、メンバーたちと深夜までガレージに泊まり込んで、議論しながらクルマを作り込んでいく日々は、私にとってまさに青春でした。

その後の就職活動では、自動車メーカーや部品メーカーなど、自動車関係の企業を受けました。中でもトヨタにはグローバルな観点での影響力や、モータースポーツにも力を入れていることから、自分のやりたいことをやるのにぴったりだと思いました。

そして何よりの決め手となったのは、チームで協力して進めるカルチャーがあること。実際に、先輩社員たちに会ったとき、「大きな企業だからこそ、チームで協力しあっていろいろなことにチャレンジできる環境がある」と聞いたのです。学生フォーミュラでの経験とリンクし、トヨタへの入社を決意しました。

一方で、トヨタに入社する前の、大学時代にもうひとつ、私の転機となった出来事があります。それが、eモータースポーツの選手になったことでした。

クルマが好き。

変わらぬ想いを軸に、

選手としても、開発者としても

自分の幅を広げる

幼少期から遊んでいたレーシングゲームで、オンラインのタイトル戦に挑戦するようになったのは、大学3年生の終盤のころ。eモータースポーツとしてゲーム自体がオンライン主体に切り替わる中で、人と対戦するようになったのです。

やってみると、タイムも、結果も好成績を残せて。「頑張ればもうちょっといけるかもしれない」との思いから、本格的にのめり込むようになりました。そして、2018年の大学4年生のとき、初めて開催された世界大会で初優勝し、初代チャンピオンになったのです。それからも国内外のさまざまな大会に出場し、結果を残しています。

これが、トヨタ入社後の現在も続く、私のプライベートの話。入社後も、仕事から帰った後に練習し、大会に出る日々を送っています。多忙なものの、トヨタがeモータースポーツを推進している背景から、会社としてこの経験や活動を理解してくれることもあり、両立はスムーズにできている印象です。

今後の目標としては2点あります。1点目はモータースポーツを推進するGRとして、モータースポーツの楽しさをもっとたくさんの人に知ってもらうこと。手軽にレースが体験できるというバーチャルの強みを活かして、モータースポーツの魅力を発進したいと思います。

2点目はリアルとバーチャルを結びつけていくこと。具体的には、バーチャルでクルマを構築して、リアルの実験でそれを評価するという一連の仕事の流れを、1人で回せるようになることを考えています。

ただし、そのためには、リアルの領域が未熟です。現実のクルマに乗る機会や、テストコースを走り議論する機会に詳しい人から吸収していければと思っています。

業務にせよ、プライベートにせよ、クルマに関わり続けることは変わりません。それほどに、クルマが好きなのです。だからこそ今あるのは、「GRのクルマにもひとりのファンとして向き合いたい」という想い。

どんな機能があったらいい?こんなクルマに乗りたい!というワクワクする期待に胸を膨らませながら、これからも開発へと向かっていきます。それが、同じクルマ好きのお客様の心にも響くクルマづくりにつながっていくと思っています。

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