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トヨタのモノづくり最大の

魅力とは?未知の新素材開発に

取り組む若手エンジニアの挑戦

モノづくり開発

素形材技術部

S.T

新卒入社以来、量産車部品の生産準備業務に携わってきたS.T。現在はモータースポーツ向けのCFRP材(マルチマテリアル)を用いた技術開発にチャレンジしています。2年間の出向期間を経て、トヨタで仲間とモノづくりに携わる魅力をあらためて感じているというS.Tが、現在のミッションやこれまでの道のりを語ります。

「素形材」の力でお客様の期待を

超えていくことがミッション

私が所属しているのは素形材技術部です。「素形材」とはさまざまな材料に形や機能を与える、モノづくりの素という意味が込められています。その名の通り、鉄やアルミ、樹脂などの材料をクルマの部品へと加工する最初の工程を担っています。

材料に形や機能を与えるためには、プレスで叩いたり、熔解したりして鋳込むなどさまざまな技術が必要です。われわれの部署ではその技術を「コア技術」と呼び、さまざまなコア技術に特化した人材の集団が素形材技術部だと私は思っています。

組織の特長として、電池やモーター、エンジン、トランスミッション、シャシー等の素形材について企画から開発、生産準備(※)、さらには量産体制へとつなげて新たな価値を持つ製品の品質をつくり上げ、お客様へ届けるところまで一貫して携わっています。こういった幅広い業務と高い技術とを掛け合わせ、素形材の力でお客様の期待を超え、喜んでもらうことが私たちのミッションです。

※ 素形材に関する生産準備の一部は素形材技術部にて実施

また、部署の規模は非常に大きく、豊田市内の工場だけでなく、海外の工場に駐在しているメンバーもいて、トヨタのモノづくりをグローバルに支えています。

こういった環境の中で私が担っているのは、特性の異なる材料を組み合わせたり複合化したりすることで生み出される、マルチマテリアル製品の開発生準(生産準備)です。中でもCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)という硬くて強く、しかも軽い性質を持つ材料を活用し、現在はモータースポーツを起点としたもっといいクルマづくりに挑戦しています。今後は量産化につなげ、お客様に届けたいと考えています。

一方で、トヨタ初の新製品開発には苦労もあります。CFRPには炭素繊維が含まれているのですが、これまでに自身は繊維を扱った経験がなく、部内にも知見があまりありません。あらゆることが初めての挑戦で、不安も感じているのが正直なところです。また、CFRPを使って1個の製品を作り上げるのに現状2日間要するため、「つくり上げてくれたメンバーの努力を無駄にはできない」「少ない試作回数の中で結果に結びつける」といったプレッシャーもあります。

しかし、この取り組みが成功した先に新たなクルマの価値や魅力が生まれると思うとわくわくしますし、やりがいを感じています。

ひとりでできることは限られている

──大きな成果を導けるのは

仲間がいるからこそ

2015年にトヨタへ新卒で入社し、鍛圧・表改生技部(現 素形材技術部)に配属されました。携わることになったのは、鍛造の生準業務です。鍛造とはいわば刀鍛冶のような仕事で、鋼を1,200度以上に熱し、叩いて変形させる工法のことです。主にエンジン内やトランスミッションなど、クルマの駆動部品を鍛造によって製造し、お客様へ届ける業務を担っていました。

鍛造というコア技術の難しさはさまざまですが、私の場合は「熱マネジメント」だと感じます。鋼は熱いうちに叩き、変形させていくことが基本ですが、秒単位の速さで温度が変化していく環境なので、早い生産サイクルの中で狙い通りの成形ができるかが肝心です。したがって、狙い通りかつ安定したモノづくりを達成するための型・設備設計が難しく、技術の見せどころだと感じています。

難易度の高い鍛造生準を乗り越えるには、やはり経験が物を言います。同時に、先輩方が積み上げてきた知見にも大いに助けてもらいました。私が入社したころはすでに鍛造の技術は確立しつつあり、その内容を先輩方が整理していてくれたので、私はその分スタートダッシュできたように感じています。過去の知見が通用しないケースもありましたが、チームの仲間や現場の方々と一緒に挑戦し、悩み抜くことで乗り越えていきました。

そして入社から4年たち、コア技術をより深掘りしたいという私の想いと、一度トヨタの外に出て経験を積んでほしいという上司の意向が合致し、若手修行派遣制度を活用してトヨタグループの素材メーカーへ出向しました。

出向先では、トヨタの看板を外し、社外で自分の力が通用するのかを試されたのはもちろん、自ら発信することで周囲からの協力を得られ、より良いモノづくりにつなげていけることを学び、実力を培う機会にもなりました。

モノづくりの生産現場では日々お客様にクルマを届けるために尽力しており、その現場の方々に協力してもらうことで自分の仕事が進んでいきます。それを念頭におかず、相手の立場に立たない会話や対応では、現場は耳を貸してくれません。たとえそれは社外の現場であろうと同じで、この会社の一員だという気持ちで、現場のために何ができるかという視点で発言することで私の声に耳を傾けてもらえましたし、実際に「よしやろう」と協力してもらえたことが多くあったので、人としても成長できた良い経験となりました。

結局のところ、ひとりでできることは限られていると感じています。

どれだけ自分がやりたいことでも、一緒にやってくれる仲間がいなければ前に進めることはできません。ひとりではなく、みんなで取り組むからこそ大きな成果につながっていくのではないでしょうか。そういう考えを持つと、チームの中での最適な立場や役割がおのずと決まる気がしています。

出向を経て見えた今後のキャリア

──誰もやったことのないことに

仲間と挑戦したい

2年間の出向期間では自分のコア技術を磨き深掘りすることができました。また、立ち止まって今後のキャリアを考えるきっかけにもなったと思います。

トヨタに戻り、ふつふつと湧いてきたのが「新たな素材や技術領域に挑戦し、さらなるコア技術を身につけたい」という思いです。会社や部署の方針としても、さまざまな材料や工法を用いて新領域のモノづくりにチャレンジしていこうと後押ししてくれる環境もあり、現在のCFRP材を用いた技術開発の取り組みに至ります。

自ら手を挙げて現在の業務に携わることにはなりましたが、CFRPはまったく触れたことのない材料ですから、当初はまるで新入社員のようでした。しかし、取り組んでいくうちに、鍛造生準の経験が活かせる部分があると気づき、仲間も増えました。その経験だけで足りない知見は社内外で聞いたり勉強したりして一歩ずつ前へ進めるようになりました。

とはいえ、日々試行錯誤の連続です。CFRPを使って1個の製品を作り上げるのには時間がかかることから、取り組みの成果がわかるのにも時間がかかってしまいます。鍛造生準では数秒に1個の製品を作り上げ、フィードバックもすぐ得られるという環境でしたから、非常にもどかしく感じるところです。さらに、2個、3個とうまくいかないことが続くと落ち込みますし、チームの士気も下がってしまうため、大変苦労しました。

そんなときは、トライしたからこそわかったことに目を向けるようにしています。失敗が続くと、だめなところばかりに目が向きがちです。もちろんできなかったことに目を向けることは大事ですが、できたこととできなかったことをきちんと区別して、自分の中で納得する。そして、後戻りをしているわけでなく、スピードはゆっくりでも確実に前進していることをメンバーに発信し、共有するようにしています。

チームで取り組む上での指針は、「まずやってみよう」という精神です。チャレンジに不安はつきものですが、みんなで一生懸命考え抜いた末の結果であれば、早めにトライすることが大事だと思っています。チャレンジから気づき、すぐ次につなげる。このサイクルが小さく早いほど開発は進んでいくと感じているからです。トヨタはそういったチャレンジを力強く後押ししてくれる仲間と環境に恵まれており、とても取り組みやすいと感じています。

お客様の期待を超えていく──

同じ志を持つ仲間とモノづくりに

携われるのがトヨタの魅力

仕事をする上で大切にしている価値観は3つあります。まず、チームが楽しく仕事に取り組めるようにすることです。日々モノづくりを進める中で、明確な目的と目標がみんなで共有できており、自分がつくり上げた製品の結果に興味を持つ。そして次にやるべきことへ目線を向けて取り組んでいくことで、みんなが前向きに取り組めるのではないかと思っています。

2つめに行動し続けるチームであることです。失敗したり立ち止まったりすることもありますが、そんなときこそ前向きに発言し、次の挑戦に手や足を動かして進んでいくチームでありたいです。

3つめに責任感を持つことです。お客様に喜んでもらうためには今何をすべきかを念頭に置き、必ずやりきるという想いでいます。目の前のすべきことを責任感を持って遂行していく上で、「こうしたいんだ」という自分の意志が動力源になると感じています。

トヨタでモノづくりに携わる最大の魅力は、多くの仲間と作り上げる楽しさだと思っています。多くの人たちが関わることで生じる困難や衝突はありますが、根っこには「お客様の期待を超えていきたい」という志をみんなが持っていて、だからこそ一緒に作り上げられるのだと感じています。

今後はより高いレベルをめざし、コア技術を磨き続けていきたいと考えています。まずは今携わっているCFRP開発業務を進めながら量産技術へと高めていきたいです。

長期的な視点では、より価値ある組織づくりに貢献できる人材をめざします。これまでに培った技術を後輩へしっかりと伝えていくことで強い組織づくりへ貢献したいと思っています。さらに、コア技術を軸としながら、どんな製品でも開発から生準、世に出すまでを一貫して担えるプロジェクトリーダーとなることが今の目標です。

※ 記載内容は2023年10月時点のものです

モノづくり開発とは

「Yes for All, by All」を合言葉に、クルマ・モビリティ・次世代電池・新事業・新製品などの多様なニーズに対し、最先端のモノづくり技術で具現化に挑戦しています。 「企画・開発・試作・設計・生産準備」など、幅広く経験しキャリア形成するチャンスがあります。

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