Y.Kの写真

新たな工法を実現し、

幼い頃に憧れたクルマを

形にする。

モノづくり開発

モビリティツーリング部

Y.K

機械工学科卒業 2002年入社 子どもの頃から父のDIYの手伝いでモノづくりの楽しさに触れて、工業系の進路を志望するようになり、高専の機械科へ。トヨタ入社後は、フェンダーのプレス型設計や、型構造の標準化業務といった、プレス加工に関する技術を担当し、現在は型設計のリーダー。途中、2度の出産を経験し、育児と両立しながら着実にキャリアを積み重ねる。

多様な条件を満たす型設計に

苦戦した、新人時代

高専の豊富な実習や設計の授業でモノづくりの楽しさを味わい、仕事にしようと決めました。私にとってトヨタは、まるで「未来のクルマ」のような流線型をしたエスティマや、ガソリンに加え電気で走るプリウスといった、衝撃的なクルマを生み出してきた、幼い頃から憧れたメーカー。私もそんなクルマづくりに携わりたいと思ったことが、入社の理由です。 新人時代に担当したのは、タイヤを覆う箇所の部品・フェンダーを成形するための、型の設計。金属の材料をはさみ、圧力をかけて成形するプレス加工の型設計は、できあがりの形状や品質を考えればいいだけではありません。たとえば、どの工場のどの生産ラインで使うかによって、型のサイズが制約を受けます。型の形状も、鋳造や切削加工で製作できるものでなければなりません。幸い高専時代の実習で、鋳造や機械加工を経験していたので、型や製品の製作過程はイメージできました。それでも期日が迫る中、膨大な量の情報をもとに多くの要件を考え計算しなければならず、頭がパンクしそうに。失敗も重ねましたが、一つひとつ乗り越えて、どうにかやり遂げました。

トヨタ初の画期的な型構造を

開発するプロジェクト

新人時代の経験をふまえて、後に挑んだのが、プレス型構造の標準化という仕事です。ちょうどリーマンショック後の不況の時期、トヨタ社内でもコストを削減するため、型を根本的に見直すことになったのです。設計から5人ほど、製造の現場から10人ほどのプロジェクトメンバーが集められました。 新しく考えられた型構造は、従来、プレス時に大きな荷重がかかる箇所に配置される面状の構造を、トラス構造にするというものでした。橋などでよく見かける、三角形の組み合わせから成る構造です。面に比べて軽量化できるうえ、適度にしなることで、プレス時にかかる荷重をうまく逃がせる利点があります。 この構造はトヨタでも初の試み。実現にはいくつもの課題がありました。必要な強度が得られるか? 手直しやメンテナンスは簡単にできるか? 壊れた場合、修理にどのくらい時間がかかるのか? そしてそもそも、型を鋳造で製作する際に、鋳造型の内部全体に、溶かした鉄がまんべんなく行き渡るのか?――型単体ではなく、前工程から後工程まですべてを考え検討する必要があります。そのための解析・評価業務が私のミッションでした。

上司に背中を押されながら、

特許を取得する新工法を実現

解析・評価業務の中で最大の難題が、壊れにくさやメンテナンス性の高さを証明することでした。もともとトヨタには、よりよいものを生み出すため、「本当にこれでいいの?」「この形がいい理由は?」などと日常的に問われる風土があります。今までにない型の構造に、ふだん以上に厳しい意見が製造現場から寄せられました。無理もありません。もし型が壊れれば、生産が止まってしまうわけですから。 そこで実験と評価を繰り返し、説得材料を集めました。試作した型の至るところにセンサを取り付け、プレス加工をしてみて、各箇所の荷重を数値で把握。また、あえて大きな荷重をかけるテストも。進めるうえで力になったのは、「気がすむまで評価しなさい」と心強い言葉をかけ、会議の場では現場を説得してくれた上司の存在。メンバー同士も、飲みに行っては「頑張ろう!」と決意を新たにしました。 あらゆる面から評価を行い、最終的には「この値を超えると壊れるけれど、通常のプレスの荷重なら壊れない」と証明。新工法は特許技術も取得。実用化されて、現在でも改良を施しながら使用されています。私自身はこのプロジェクトで知識の幅が広がり、型挙動解析や挙動測定の手法という得意技術を手に入れることもできました。

2児の子育てと、技術者として

のステップアップを両立

現在は十数年ぶりに、量産品の型設計の業務に戻りました。担当する部品はドアに変わり、ポジションも主任に。メンバーへの指示や他部署との調整など、多岐にわたるリーダー業務を必死に覚えている最中です。目標は、他社よりすぐれた工程を実現し、新たなデジタル技術も駆使して、より精度の高い解析ができるようにすること。そしてゆくゆくは、私自身が惹かれたような魅力的なデザインのクルマを具現化できる工法を考え、設計に提案できたらと思っています。 実は私はこれまでに、2度の産休・育休を経験しました。休職中も席はそのまま残るので、復帰後も元の職場に戻れるうえ、会社内にある保育所を利用して、時短勤務で働ける。子育てしながら働きやすい環境は整っています。 それでも正直、両立に悩んだこともあります。相談した男性上司から返ってきたのは、「家族を第一で考えなさい。仕事は、あなたが抜けても誰かがサポートしてくれる。だけど、子どもにとってのお母さんはあなた一人しかいないのだから」という言葉。そのとき、すっと肩の荷が下りて、ありがたい気持ちでいっぱいになったことを覚えています。 それからは、子どもの急病で突発的に休む場合に備えて、仕事は周りに常に共有するように工夫しています。家庭と仕事を両立しながら、着実にステップアップできている。そんな実感を、今も味わえています。

モノづくり開発とは

「Yes for All, by All」を合言葉に、クルマ・モビリティ・次世代電池・新事業・新製品などの多様なニーズに対し、最先端のモノづくり技術で具現化に挑戦しています。 「企画・開発・試作・設計・生産準備」など、幅広く経験しキャリア形成するチャンスがあります。

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