D.Yの写真

生産技術の最前線に立つ

エンジニアの熱量

生産技術・製造技術

堤工場車体製造技術部

D.Y

大手鉄鋼メーカーでの研究職を経て、2019年に入社したD.Y。2023年3月現在は車体製造技術部 プレス技術室に所属し、チームリーダーという立場でプレス部品製造の号口立ち上げ業務に携わっています。これまでのキャリアを振り返りながら、トヨタ自動車のものづくりの現場で働く醍醐味、エンジニアとしてのこだわりを語ります。

プレス技術室が担うのは、

すべての部品を組み付ける

クルマの土台づくり

現在、車体製造技術部のプレス技術室で、プレス関連の製造技術、工程整備を担当しています。プレス技術室は5つのグループに分かれていて、私が所属するグループには数十名が在籍しています。

自動車は、鋼板やアルミニウム合金板をプレス成形してさまざまな形状の部品とし、それらを溶接やリベット、接着などさまざまな手法でつなげ立体的にした上で塗装し、エンジンやサスペンション、タイヤなどを組み付けて製造されます。このうち、車体製造技術部では、材料メーカー様から仕入れた鋼板や、アルミニウム板に対して、プレス工程で成形し、ボデー工程で一体化する、車体製造工程の造り込み全体を担っています。

プレス部品の品質で最も大切なことは金型の造り込みです。

プレス金型は、図面通りに製作しても、狙い通りの部品が量産できることはほとんどありません。実際に金型ができてから、毎年数十万台のクルマを高品質に、安定してつくり続けられるようにチューニングする、これをトヨタでは造り込みと呼んで、とても大切にしています。

プレス成形されたそれぞれの部品をさまざまな手法で組合せていくのがボデー技術室の役割です。複数のプレス部品から1台のクルマを作り上げるのはとても大変な作業で、プレス技術室とボデー技術室は密に連携しています。部品間の微調整が必要となった際には、プレスとボデーのメンバーがお互いフォローし、協力し合う文化が部内に醸成されていると感じます。お客様にとっての嬉しさとは何か?という意識が皆で共有されているため、意思の疎通がはかりやすくとても仕事がしやすいですね。

また、グローバルで展開されるトヨタ、レクサスブランドの多数のクルマが、われわれの部署で造り込みを行い製造現場に引き渡されます。手塩に掛けて造り込んだニューモデルが発表されて、「新発表されたクルマ、かっこいいね」と話題になる瞬間が、この仕事の醍醐味だと感じています。

世界のエンジニアが

注目するような仕事がしたい

——大手鉄鋼メーカーを経て、

トヨタへ

子どものころからメカメカしいもの全般が大好きで、中学卒業後は高専の機械系に進学。高専で5年学んだ後は大学・大学院へと進んで、金属材料の塑性加工について研究しました。

当時からプラントや輸送機器などに興味があり、新卒で就職したのは国内の大手鉄鋼メーカー。材料メーカー、重工、自動車など、いろいろな工場を見学してきましたが、その中でも大規模製造プロセスが徹底してシステム化・効率化されていることに圧倒され、最も楽しそうだと感じたことが入社の決め手になりました。

その会社では鉄鋼製造プロセス、とりわけパイプの製造技術開発の担当を任され、石油開発、化学/発電プラント、自動車メーカーの皆さんと、開発から試作、量産までトータルに携わっていました。

また、当時の上司の計らいで会社に在籍しながら大学で研究活動を行う機会にも恵まれ、入社後に博士号を取得することもできました。

その後、2019年にトヨタに転職しますが、理由はふたつありました。

ひとつめは、中堅のエンジニアとして、元職場の鉄鋼メーカーで自らの専門領域をある程度確立して、ある意味やりつくした、というと過言ですが、できること、できないことが見えてきて、もっと全然知らない世界も知りたい、という想いが沸々とわいていました。ちょうどそのころ、100年に一度の変革期とも言われるように、自動車産業ではBEVや自動運転技術が登場・普及し始めるなど、自動車メーカーをとりまく状況が大きく変化しようとしていました。非常にチャレンジングな環境であると感じ、ひとりのエンジニアとして、自分もその新しい波に揉まれたい、変化を楽しみたいという気持ちがありました。

ふたつめは、世界のお客様とエンジニアの注目を集めるような仕事がしてみたかったこと。当時、鉄鋼メーカーでも、お客様の要望に応じて高品質、高精度、低コストをとことん追求していく仕事にもおもしろさは感じていましたが、一方で「このクルマ、すごいな!かっこいいな!」と、グローバルのお客様に喜んでいただき、エンジニアの皆さんが驚いてくれるようなモノづくりがしたいという想いがありました。世界最大の自動車メーカーのひとつであるトヨタでならそれが実現できると考えていた中、トヨタで働く友人からも「外から見ている以上にイケイケでチャレンジできる会社」と聞き、新しい世界に飛び込む決意をしました。

生産技術の現場で働く

エンジニアとしての自負と

やりがい

入社して2023年で4年目を迎えますが、最も印象に残っている出来事のひとつが、社内のアイデアコンテストに参加したことです。既存車体構造の変革が必要だと感じている有志が集まり、ふたり乗りの超小型モビリティ“C+POD”を改造し、既存車両と比べて部品点数を大幅に削減することに成功しました。

新聞に掲載されるなど注目してもらえたことは大変印象的で、有志の集まりにも関わらず、大きなチャレンジをできることにトヨタらしさを感じた瞬間でした。

これまで長く生産技術の現場に関わってきたことで、エンジニアの仕事の楽しさをあらためて実感しています。エンジニアの仕事というと、ほかにも研究職や開発職などもあります。私も新卒当初は研究開発に携わっていた時期もあり、大変やりがいがあったことを覚えています。今、担当している生産技術もまったく同じ。専門技術を発揮し、責務を全うできるという醍醐味はやりがいはエンジニアとしての楽しさそのものですね。今の仕事では、製造現場でオペレーターを務めるベテラン社員と真剣に討議をするなど、タフな場面もありますが、それもクルマを楽しみにされているお客様のことを考えると妥協せずに進めることが大事だなと感じます。

余談ですが、現場の肌感覚はとても頼りになります。デジタル解析、シミュレーション技術全盛の昨今ですが、現場に言われた「これじゃあプレス成形できないから再検討して」のアドバイスからもう一度解析結果を精査すると、実はシミュレーションでは再現できないような事象が隠れていた、ということもよくあります。

どれだけシミュレーションが進化して便利になったとしても、それを使いこなすのは人であり、まだまだ長年の経験にはうち勝てないと感じるときもあります。一方で実際のプレス成型中では確認できない金型内での材料の動きをシミュレーションで可視化することで、不具合の解決につなげるなど、長年の経験と最先端のデジタル技術が相まって、最新の「かっこいい」クルマができ上がっています。

ただただ机上の勉強ができればいい、というわけではなく、現場から学ぶことが無数にある。ここに生産技術エンジニアの妙味を感じますね。

クルマの造り込みは0.1ミリの単位で行います。普段、お客様はそこまで気にして凝視することもあまりないと思いますが、キャラクターラインのつながり、フェンダーの張出し、ドアの陰影など、無意識に「かっこいい」と感じていただくためにはクルマ全体のディテールが大切で、デザイナーの意図を実現するためにはプレス部品の造り込みが非常に重要です。

「一見気づきにくくでも、ここのプレス品質が車両全体の印象を左右するため、デザイナーと一緒にとことんこだわった」と自信を持ったアウトプットがこの会社でできているなど、エンジニアとしての楽しさを日々感じながら仕事に取り組んでいます。

神は細部に宿る

——0.1ミリにこだわり、

実直なものづくりを

プレス技術は、「素材をどう使い切るか」を考える仕事でもあるので、前職の鉄鋼メーカーでの経験とは表裏一体なところがあります。たとえば、金型を作りこむ際には、第一に「どの材料メーカーの、どの製造ラインで製造された材料で製造するか」を最初に決定します。素材が変わってしまうと、品質、特性が大きく変化してしまうこともあるほど、材料はとても重要なんです。

その点、自身の鉄鋼メーカーの経験は意義があると思っており、入社以来トヨタで活躍するメンバーとはまた別の見方や引き出しがあると感じています。これまで蓄積してきた知識や経験を積極的に周囲とシェアし、議論していくことで、お互いに学び合うことができ、それがより良いモノづくりに貢献できていると思います。この効果をどんどん波及させていきたいですね。

エンジニアとして仕事をする上で、“神は細部に宿る”という言葉をいつも心に留めています。学生のころに共同研究をしていた大学の先生から伝え聞いたもので、自分の仕事の指針になっている言葉です。

当社のお客様の中には、「トヨタだから」と信頼して選んでくださる方がたくさんいらっしゃいます。製品の本質を決めるのは、細部へのこだわり。製品の本質を決めるのは、確かな技術とそれを支える細部へのこだわり。トヨタは全世界でモノづくりに関わり、常に最先端の技術革新に挑戦しています。それはトヨタを信頼してくださるお客様がいらっしゃるから、そして今からトヨタを選んでくださるお客様がいらっしゃるから。そのお客様の信頼を裏切らないためにも、 “0.1ミリ”に妥協することなく、トヨタがこれまで大切にしてきたクルマづくりにこれからも実直に取り組んでいきたいですね。

生産技術・製造技術とは

高品質な製品を安く迅速に作り出すトヨタ式の生産ライン、そのモノづくり現場最前線をリードする技術開発職種です。 日々進化するクルマのカタチを具現化するため、開発上流からつくり方を検討・開発する事で、理想への妥協なく、かつお客様の期待を超えるトヨタ品質のモノづくりをリードしています。 創業期から培ってきた確かなクルマづくりのノウハウとお客様の期待を超えるための飽くなき挑戦によって技術革新を続け、モビリティーカンパニーへの転身と移動の課題解決や住み続けられる街づくり(Woven City)への事業化に挑戦しています。

#Keyword複数選択できます

  • 入社形態

    • #新卒入社
    • #キャリア入社
  • 職種

    • #技術職
    • #事務職
    • #業務職
  • 本部・コース

    • #未来創生
    • #コネクティッド
    • #DX・セキュリティ
    • #クルマ開発
    • #自動運転・先進安全
    • #シャシー制御
    • #カーボンニュートラル・パワーエレクトロニクス技術
    • #パワートレーン系制御
    • #電池開発
    • #生産技術・製造技術
    • #モノづくり開発
    • #カスタマーファースト
    • #プラント・環境技術
    • #生産管理・物流
    • #調達
    • #国内営業
    • #海外営業
    • #総務・人事
    • #経理
    • #渉外広報
    • #事業開発
    • #制御電子プラットフォーム開発
    • #材料技術

    もっと見る

  • 形式

    • #個人インタビュー
    • #グループインタビュー
  • キーワード

    • #カーボンニュートラル
    • #風通しのよさ
    • #グローバル
    • #成長実感
    • #ソフトウェア
    • #チームワーク
    • #両立

FindInterview

あなたが読みたい社員インタビューを
選択してください。

新卒採用社員インタビュー
キャリア採用社員インタビュー