人にやさしいロボットで
未来を変える挑戦者
未来創生
R-フロンティア部
K.I
人にやさしいロボットで
未来を変える挑戦者
未来創生
R-フロンティア部
K.I
2021年にキャリア採用でトヨタ自動車の未来創生センターに入社し、ロボティクスの研究開発を行っているK.I。2023年3月現在、ロボットのマニピュレータに関する研究開発に従事しています。そんなK.Iが「バランスが良い」と表現する未来創生センターの雰囲気や、入社に至ったこれまでの変遷を語ります。
多様な仲間たちともに、
ロボットアームの研究開発を
推進
私は今、未来創生センターのロボティクス研究ユニットに所属し、人と共同作業ができるような人にやさしいロボットアームが普及する未来をめざして、日々研究開発に取り組んでいます。
人とロボットアームの共同作業を実現するためには、ロボットアームが人と同じ場所で共存しながら作業をしたり、日用品を人間のように丁寧に取り扱ったりする必要があります。ところが、従来のロボットに採用されてきたロボットアームの位置を基準にした制御では、決められた場所にモノを動かすことは得意ですが、やさしく置くような作業は高精度なカメラなどがないと困難です。また、人が不意にロボットアームにぶつかってしまった場合、ロボットアームが外力をいなすことができず、人にけがをさせてしまう恐れもあります。
そこで、ロボットアーム自体の重量や慣性モーメントを軽くしたハードウェアを作り、力を基準に制御することで、ロボットアームと物体との接触時の力をコントロールしたり、人との衝突時の衝撃力を本質的に低減したりすることが可能な、人にやさしいロボットが実現できると考えています。
この実現に向けて、未来創生センターではハードウェアからソフトウェアまでさまざまな観点から研究開発を進めています。私はハードウェアの担当として電気回路の部分に携わっています。モーターを動かすために必要な回路であるモータードライバーやそれとモーターを組み合わせたアクチュエーターの設計、試作および論文調査や学会参加などによる情報収集などが私の主な仕事です。
ロボティクス研究ユニットで働く中では、さまざまなバックグラウンドやスキルを持ったメンバーと共に、ハードウェアを構成している要素のレベルから構築し、全体を最適化しながら研究開発を進められているところにおもしろさを感じています。制御系からソフト系寄りにシフトしてきた幅広い分野が得意な人もいれば、ひたすら制御、電気、自律移動など各分野を極めてきた人、マネジメントの視点でどういった方向性の研究開発をすべきか考えている人もいます。それぞれが能力や個性を活かして活躍し、チームとしての成果を最大化できるような環境のもとで、日々働いていると感じています。
幼いころに抱いた
モノづくりへの関心は、
やがて本格的な
ロボットづくりへ
幼いころからモノづくりと、モノの仕組みを知ることが好きでした。とくに記憶に残っているのは、小学生の夏休みでの自由工作です。木の台車を作り、そこにラジコンを連結させて、電動で荷物を運べるものを作ったことがありました。台車を開いたときと畳んだときで接地する車輪が変わり、手動操作とラジコン操作を切り替えられるような仕組みになっていて、今でも良いアイデアだなと思います。大きい荷物を運ぶときに「荷物を運ぶ動作を楽にしたい」と思ったことが、それを作ろうと思ったきっかけです。モノづくりによって人を楽にしたいという気持ちは、このころから持っていたと記憶しています。
本格的にロボットづくりを始めたのは、高専に進んでからのことでした。そのころから、モータードライバーをつくったり、それを動かすためのプログラムを書いたり、自律サッカーロボットの戦略プログラムを書いたりと、回路やソフトウェアによるロボットづくりに関わってきました。
その後、大学に編入して学部4年生からは、サイバニクスや人支援工学に強い研究室に入りました。「技術を人のために役に立てたい」という先生の考えに共感したことが、その研究室を選んだ一番の理由でした。
大学や大学院で取り組んでいた研究は、装着型人支援ロボットの技術を応用し、義足を高機能化する研究です。具体的には、すでに使われている義足にモーターを取り付け、膝に相当する部分を駆動できるようにするハードウェアと、装着者の動きや動作意思に合わせて動作させるためのソフトウェアを研究開発していました。
大学院修了後は、宇宙で作業を行うためのロボットを開発しているベンチャー企業に入社しました。入社後は、ロボットの電気回路やシステムの設計、製作、評価などに携わっていました。しかし、会社は今すぐ成果が出せる即戦力を求めていたのに対し、私は長期的な観点で自分のスキルを伸ばし人生全体を通じての成果を最大化したいと考えていたので、だんだんと両者の求めるものの違いを感じるようになり、転職を考えるようになりました。そうしてたどり着いたのが未来創生センターでした。
研究開発をより強力に推進し、
理想とする未来社会の実現へ
トヨタのロボット部門との出会いは、2005年日本国際博覧会(愛・地球博)で、当時中学1年生だった私が、ロボットのショーを見たことでした。愛・地球博には各研究機関などからたくさんのロボットが出展されていて、私がロボットづくりを志すきっかけになりました。現在働いている建物の入り口にはこの当時のロボットが展示されています。
それから「トヨタで仕事としてロボットの研究開発をする」という選択肢を現実的なものとして考え始めたのは、修士1年目の2015年に生活支援ロボットHSR(Human Support Robot)が発表されたことがきっかけです。社外の研究者に貸与できるようなロボットを作ることができる技術力、コミュニティを形成して研究開発をすすめる実行力、そして何より長い目で見て、人も技術も育てていこうという長期的なビジョンがあることに惹かれました。
博士1年目の2017年には国際ロボット展のトヨタのブースで、ヒューマノイドロボットT-HR3の展示を見る機会がありました。その機会に、ロボットのアクチュエーターに実際に触ることができました。スペックでは表現されにくい制御の滑らかさに技術レベルの高さを感じたことを覚えています。
転職活動中は、数社からオファーをもらいましたが、最終的に未来創生センターに決めた理由は、未来創生センターが目指す世界観、目標の奥深さに共感したことでした。現場の課題を解決しながらも、「生活支援ロボットをはじめとするロボットを世の中に広め、社会や人々を豊かにしていく」という未来を描いていたことが決め手になりました。
それはまさに、自分が実現したいと考えていた未来とつながる世界観だったのです。
私が中学生のときの夢は、空飛ぶクルマを普及させることでした。その後、実際に作っているモノは空飛ぶクルマではなくロボットになりましたが、「新たな技術を普及させて、社会をより良い方向に変えていきたい」という想いは一貫して持ち続けています。その点、未来創生センターが目指している「ロボットを普及させ、社会や人々をより豊かにしていくビジョン」は、私のかなえたい夢とも重なっていました。だからこそ、入社を決めたのです。
研究開発をより強力に
推進し、
理想とする未来社会の実現へ
入社して1年半が経った今、未来創生センターの雰囲気が、オープンでフラットであることを感じています。
研究開発は正解のない世界です。議論するときには徹底的に議論し、やってみないとわからないことに関してはすぐやってみる。そういう試行錯誤が必要だと考えています。未来創生センターには“誰が言ったか”ではなく、“何を言ったか”で内容が判断されるフラットな環境があると感じています。このような環境で、専門が違うメンバーが議論を交わしたりプロジェクトを進めたりしている環境があるからこそ、良いモノを生み出すことができると思っています。
各人のやりたいことを尊重してくれるのも今の職場の良いところです。研究の大きな目的は共有していますが、研究プロセスや手段は任せてもらえています。「とりあえずやってみよう」と背中を押してくれる雰囲気があり、サポート面にも優しさを実感しています。マネージャーは、目標が高すぎることも低すぎることもない、いわゆるストレッチゾーンの目標設定を一緒に考えてくれるので、成果と成長、挑戦の両方が実現しやすいと感じます。
また、働く環境としてバランスがとても良いとも感じます。仕事で多くのことに取り組むことも、子育てなどのプライベートに注力、集中することも、それぞれが求める働き方、生き方ができる柔軟な職場だと思います。ワークライフバランスが実現しやすいので、余暇の時間を家族友人との団らんや技術のキャッチアップに充てられ、仕事もプライベートもどちらも充実させやすいなと感じます。
未来創生センターのビジョンは、数十年後を見据えながらも、5〜10年先のありたい姿を考え目標を設定するというバランスの良い時間感覚です。私が思うに、このちょうど良い時間感覚を設定できるのは、長い目でビジョンを描いているからこそ。また生活支援ロボットの実用化を目指して5年、10年のスパンで真剣に議論、開発を推進できる環境はそうありません。
そんな環境のもと今の私が目標とするのは、研究力・開発力を共に高めながら、ロボティクスの研究開発をより強力に推進していける存在になること。もちろん、その先には人と同じ環境で作業ができるロボットを普及させ、生活をより良いものにしていくというビジョンも見据えています。
このビジョンに共感してくれる仲間たちと共に、理想とする未来社会の実現をめざしていく──。そのための挑戦の日々は、これからも続いていきます。
様々な研究領域で、トヨタの目指す次の未来に向けて常にチャレンジを続けています。 「ほとんどの人が想像できていない価値創出・真理探究」で短~長期の企業競争力強化に貢献し、従来の物理的な移動に限らず、様々な移動に関わる新しい価値・サービスを提供する為の研究/開発を行っています。
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